相続でいちばん怖いのは、知らないうちに期限が過ぎてしまうことです。まずは全体のスケジュールを押さえておきましょう。
| 期限 | 手続き |
|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出 |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述(家庭裁判所) 借金のほうが多い場合など。過ぎると原則すべて相続したものと扱われます |
| 4か月以内 | 準確定申告(故人の所得税) |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付 基礎控除を超える場合。配偶者控除等の特例も申告が前提です |
| 1年以内 | 遺留分侵害額の請求 |
| 3年以内 | 相続登記(不動産の名義変更) 令和6年4月から義務化。怠ると10万円以下の過料の対象です |
| 10年以内 | 遺産分割(特別受益・寄与分を主張できる期間) |
配偶者は常に相続人になります。そのうえで、次の順位で相続人が決まります。先の順位の人が1人でもいれば、後の順位の人は相続人になりません。
| 順位 | 相続人 | 法定相続分(配偶者がいる場合) |
|---|---|---|
| 第1順位 | 子(亡くなっていれば孫) | 配偶者 1/2 子 1/2 |
| 第2順位 | 父母(いなければ祖父母) | 配偶者 2/3 父母 1/3 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹(亡くなっていれば甥・姪) | 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4 |
遺言書がない場合、誰が何を相続するかは相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めます。必ずしも法定相続分どおりに分ける必要はなく、全員が納得すれば自由に決められます。
合意した内容は遺産分割協議書にまとめ、相続人全員が署名・実印で押印します。この書面は、不動産の名義変更や預貯金の解約に必要となる、相続手続きの土台です。
遺言書があれば、原則としてその内容が優先されます。実際に使われるのは、次の2つです。
| 項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|
| 作り方 | 本文を自分で手書きし、日付・氏名を書いて押印 財産目録はパソコン作成も可 |
公証役場で、証人2人の立会いのもと作成 |
| 費用 | ほとんどかからない | 公証人手数料がかかる |
| 無効になる リスク |
あり(形式の不備、内容があいまいで使えない など) | ほぼない |
| 紛失・改ざん | 保管方法によってはリスクあり | 原本を公証役場が保管 |
| 検認 | 必要 法務局の保管制度を使えば不要 |
不要 |
遺言があっても、一定の相続人には最低限の取り分(遺留分)が法律で保障されています。「全財産を長男に」といった遺言を残しても、他のお子様から遺留分を請求される可能性があります。
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 遺留分がある人 | 配偶者・子(孫)・父母(祖父母) |
| 遺留分がない人 | 兄弟姉妹(甥・姪) |
| 割合の目安 | 法定相続分の1/2(相続人が父母だけの場合は1/3) |
相続をめぐるルールは、この数年で大きく変わりました。とくに影響の大きい3つをご紹介します。
不動産を相続したら、相続を知った日から3年以内に名義変更(相続登記)をすることが義務になりました。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象となります。施行前に発生した相続もさかのぼって対象ですので、「祖父の代から名義がそのまま」というご家庭は注意が必要です。
令和8年(2026年)4月からは、不動産の所有者が引越しや結婚などで住所・氏名を変えた場合も、2年以内の登記が義務になりました。怠ると5万円以下の過料の対象です。施行前に生じた変更も対象で、この場合は令和10年(2028年)3月末までに手続きが必要です。登記簿の住所が古いままだと、いざ相続や売却という場面で余計な手間が生じます。
相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を主張できなくなり、原則として法定相続分どおりに分けることになります。「長年、親の介護を担ってきた」「生前に多額の援助を受けた人がいる」といった事情を反映させたい場合は、期間内に手続きを進める必要があります。
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行政書士江島世鉉事務所