建設業許可とは|広島・廿日市の行政書士江島世鉉事務所
許可が必要な工事の金額、知事許可と大臣許可、一般と特定、29業種、6つの要件を解説。広島県廿日市市の行政書士が建設業許可をサポート。


「建設業を始めたい」「元請から許可を取るよう言われた」という方へ。建設業許可とは、一定金額以上の工事を請け負うために必要な許可です。ここでは許可が必要になるケース・許可の種類・29の業種・取得の6要件まで、建設業許可の基本をまとめて整理しました。


1. 建設業許可が必要なのはどんな工事?

結論から言うと、「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は許可は不要で、それを超える工事には許可が必要です。「軽微な建設工事」にあたるかは、次の金額が基準になります。

工事の種類 許可が不要(軽微な工事) 許可が必要
建築一式工事 請負代金 1,500万円未満、または延べ面積 150㎡未満の木造住宅工事 上記を超えるもの
建築一式以外
(27業種)
請負代金 500万円未満 請負代金 500万円以上
【注意】金額は消費税込みで判断します。発注者が用意した材料費もふくめて計算し、1つの工事をわざと複数契約に分けても合計額で判定されます。「500万円未満だから大丈夫」と思っていたら実は許可が必要だった…というケースは少なくありません。


2. 許可の区分①|「知事許可」と「大臣許可」

建設業許可は、営業所をどこに置くかで「知事許可」か「大臣許可」に分かれます。工事をする場所ではなく、営業所の所在地で決まるのがポイントです。

区分 こんな場合
知事許可 1つの都道府県内にのみ営業所がある(例:広島県内だけ)
大臣許可 2つ以上の都道府県に営業所がある
よくある誤解
広島県知事の許可でも、県外(他府県)の工事を施工することは可能です。「知事許可=その県内でしか工事できない」ではありません。


3. 許可の区分②|「一般建設業」と「特定建設業」

元請として工事を受け、下請に出す金額が大きい場合は「特定建設業」の許可が必要です。それ以外は「一般建設業」になります。

区分 下請に出す金額(1件の工事の合計)
特定建設業 下請代金の合計 5,000万円以上
(建築一式工事は 8,000万円以上
一般建設業 上記に満たない場合/自社で施工する場合

※ 令和7年(2025年)2月1日改正後の金額です(改正前は4,500万円/建築一式7,000万円)。下請に出さない、または金額が基準未満なら「一般」で問題ありません。


4. 建設業は「29業種」に分かれています

建設業許可は業種ごとに取得します。全部で29業種あり、「土木一式・建築一式」の2つの一式工事と、27の専門工事で構成されます。

区分 業種
一式工事(2) 土木一式工事/建築一式工事
専門工事(27) 大工/左官/とび・土工・コンクリート/石/屋根/電気/管/タイル・れんが・ブロック/鋼構造物/鉄筋/舗装/しゅんせつ/板金/ガラス/塗装/防水/内装仕上/機械器具設置/熱絶縁/電気通信/造園/さく井/建具/水道施設/消防施設/清掃施設/解体
ポイント
「建築一式工事」の許可を持っていても、各専門工事の許可がなければ、その専門工事を500万円以上で請け負うことはできません。必要な業種を見きわめて取得することが大切です。


5. 建設業許可を取得するための「6つの要件」

建設業許可を取得するには、次の6つの要件すべて満たす必要があります。ここでは新規取得でもっとも多い「一般建設業許可」を基準に解説します。

要件 ポイント
①経営業務の
管理責任者
建設業の経営経験が原則5年以上ある常勤役員等がいること
②営業所技術者 営業所ごとに、資格または実務経験を持つ技術者が専任でいること
③財産的基礎 自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力
④誠実性 請負契約に関し不正・不誠実な行為のおそれが明らかでないこと
⑤欠格要件 破産・許可取消し・暴力団関係などに該当しないこと
⑥社会保険 健康保険・厚生年金・雇用保険に適切に加入していること


1経営業務の管理責任者(経管)がいること

会社の経営をきちんと担える人がいることを示す要件です。具体的には、建設業の経営経験が原則5年以上ある役員等が常勤でいることが求められます。令和2年10月の改正で、1人の経管だけでなく「常勤役員等+補佐者」などの体制でも認められるようになりました。

最初の関門
新規許可でつまずきやすいのがこの経管です。過去の役員経験や個人事業主としての経験を証明できるかがカギになります。


2営業所技術者(旧・専任技術者)が営業所にいること

許可を受ける業種について専門的な知識・技術を持つ人が、営業所ごとに常勤・専任でいることが必要です。「国家資格」または「実務経験」で証明します。

区分 主な要件
一般建設業 該当業種の国家資格、または実務経験10年以上(指定学科卒業なら3〜5年)など
特定建設業 1級の国家資格者など、より高い基準(特定営業所技術者)
【名称変更】令和6年12月13日施行の改正建設業法により、従来の「専任技術者(専技)」は「営業所技術者」に名称が変更されました。特定建設業の場合は「特定営業所技術者」、両者をあわせて「営業所技術者等」と呼びます。役割や要件そのものに大きな変更はありません。


3財産的基礎・金銭的信用があること

工事を安定して行える資金力の要件です。一般と特定で基準が大きく異なります。

区分 財産的基礎の要件
一般建設業 次のいずれか:
①自己資本 500万円以上
②500万円以上の資金調達能力(銀行の残高証明など)
③直前5年間、許可を受けて継続して営業した実績
特定建設業 次をすべて満たすこと:
・資本金 2,000万円以上/自己資本 4,000万円以上
・流動比率 75%以上
・欠損の額が資本金の20%以下


4誠実性があること

申請者や役員などが、請負契約に関して詐欺・脅迫・横領などの不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが必要です。


5欠格要件に該当しないこと

次のような事情があると許可を受けられません。

破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない
許可の取消しを受けて5年を経過していない
暴力団員またはその関係者である
申請書や添付書類に虚偽の記載がある
一定の法令違反で罰金・禁錮以上の刑を受け、一定期間を経過していない など


6社会保険に適切に加入していること

令和2年10月の改正で、健康保険・厚生年金保険・雇用保険への適切な加入が許可の要件になりました。未加入のままでは許可を受けられません。

まとめ|カギは①と②
6つのうち実務上いちばんの関門は①経営業務の管理責任者②営業所技術者です。この2つを満たせる人材がいるかどうかで、許可取得の可否が大きく変わります。「自社は要件を満たせる?」と迷ったら、まずはご相談ください。


6. 許可の有効期間は「5年」

建設業許可の有効期間は5年間です。引き続き営業する場合は、期間が切れる前に更新申請が必要です。また、毎事業年度終了後には決算変更届(事業年度終了届)の提出も必要になります。


7. 建設業許可を取得するメリット

500万円以上の工事を正式に受注できる
社会的信用が高まり、元請・取引先・金融機関からの評価が上がる
公共工事の入札に参加する道がひらける(経営事項審査へ進める)
事業拡大・人材採用・融資などで有利になる


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