日常会話ではどちらも「ビザ」と呼ばれますが、法律上はまったく別のものです。日本で暮らし続けるうえで実際に重要になるのは、後者の「在留資格」です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ビザ(査証) | 海外の日本大使館・領事館が発給する、入国のための推薦状。入国時に役割を終えます |
| 在留資格 | 日本に滞在して活動するための法的な資格。在留カードに記載され、期限内に更新・変更が必要です |
在留資格は数多くありますが、大きく「活動にもとづくもの」と「身分・地位にもとづくもの」に分けて考えると整理しやすくなります。
| 分類 | 主な在留資格 |
|---|---|
| 就労できるもの | 技術・人文知識・国際業務/技能/特定技能/高度専門職/経営・管理/企業内転勤/介護/技能実習 ほか ※ 資格ごとに、できる仕事の内容が決まっています |
| 身分・地位に もとづくもの |
永住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者 ※ 就労の制限がなく、原則どんな仕事にも就けます |
| 就労できない もの |
留学/家族滞在/文化活動/短期滞在 ほか ※ アルバイトには別途「資格外活動許可」が必要です |
場面ごとに、必要な申請が変わります。代表的なものは次のとおりです。
| 手続き | こんなとき |
|---|---|
| 在留資格認定証明書 交付申請 |
海外にいる方を、就労や家族の呼び寄せで日本に招く |
| 在留資格変更許可申請 | 留学から就職へ、転職で仕事の内容が変わる、結婚した など |
| 在留期間更新許可申請 | 同じ在留資格のまま、期限を延長する |
| 資格外活動許可 | 留学生・家族滞在の方がアルバイトをする |
| 永住許可申請 | 在留期限の更新から解放され、日本に永く住みたい |
| 帰化許可申請 | 日本国籍を取得したい(申請先は法務局です) |
永住が許可されると、在留期間が無期限になり、就労の制限もなくなります。そのぶん審査は在留資格のなかでもっとも厳格です。原則として、次の3つをすべて満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①素行が善良 | 法令を守り、社会的に非難されない生活を送っていること(交通違反の反復なども見られます) |
| ②独立の生計 | 生活保護等に頼らず、安定した収入や資産で暮らしていけること |
| ③国益に適合 | 原則10年以上継続して日本に在留(うち就労資格等で5年以上)/税金・年金・健康保険を適切に納付/届出義務の履行/最長の在留期間をもって在留していること など |
※ 日本人・永住者・特別永住者の配偶者や実子の場合は、①②の要件が不要となり、在留年数も大きく短縮されます。高度専門職の方はポイントに応じて1年または3年に短縮される特例もあります。
出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」は令和8年(2026年)2月24日に改訂され、実務上とくに重要な2点が変わりました。
令和6年の入管法改正により、令和9年(2027年)4月1日から、永住者について新たな在留資格の取消事由が加わります。対象となるのは、故意に税金・社会保険料を支払わない場合、入管法上の届出義務などを守らない場合、重大な犯罪で拘禁刑に処せられた場合です。
帰化は、日本国籍そのものを取得する手続きです。申請先は入管ではなく住所地を管轄する法務局で、許可するのは法務大臣です。国籍法では、おおむね次の要件が定められています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①住所要件 | 引き続き5年以上日本に住所を有していること |
| ②能力要件 | 18歳以上で、本国法でも行為能力があること |
| ③素行要件 | 素行が善良であること(納税状況、交通違反歴なども確認されます) |
| ④生計要件 | 生計を営むことができること(世帯単位で判断されます) |
| ⑤重国籍防止 | 日本国籍の取得により、原則として従前の国籍を失うこと |
| ⑥憲法遵守 | 日本国憲法を遵守し、これを破壊する活動をしないこと |
よくいただくご質問です。国籍が変わるかどうかが、いちばん大きな違いです。
| 項目 | 永住 | 帰化 |
|---|---|---|
| 国籍 | 母国のまま | 日本国籍になる |
| 申請先 | 出入国在留管理局 | 法務局 |
| 在留カード | 必要(7年ごとに更新) | 不要 |
| パスポート | 母国のもの | 日本のもの |
| 選挙権 | なし | あり |
| 退去強制 | 対象になりうる | 対象外 |
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行政書士江島世鉉事務所